黒・白・赤・青・緑など様々な色ガラスに、ゴールド・プラチナのコーティングをほどこした、ボトルの封かんや封蝋を連想させる、ユニークなフォルムのガラスボタン。これらのボタンは、1940年代にロンドンのBimini(ビミニ)社という、ちょっと変わった名前の工房で作られていました。(Biminiは、ポエムに登場する架空の島の名前だそうです。)
ウィーンでガラスのオブジェなどを製作・販売していた、チェコ出身のFritz Lampl(フリッツ・ランプル)は、1938年に、ウィーンからロンドンに亡命しました。大英博物館に展示してある古代ギリシャのコインに強いインスピレーションを受けた彼は、英雄・動物・鳥などのモチーフが入ったものをはじめ、さまざまなデザインのボタンをロンドンで作るようになりました。
*同時に、同じガラスパーツを使ったブローチ・イヤリングも製作し販売します。
オーストリア時代から交友があり、後に渡英した女流陶芸家のLucie Rie(ルーシー・リー)は、フリッツ・ランプルの誘いで、このガラス製のボタン作りを手伝うようになりました。また、これをきっかけに、ルーシー・リーは、ビミニ社の依頼で陶器製のボタンも作るようになり、後にビミニ社以外にも高級衣装店へのボタンの卸販売をはじめました。陶器製のボタンは、アルビオン・ミューズのアトリエで製作し、ビミニ社向け(ビミニ社を通して販売した)のボタンには、ビミニ社の植物のマークを入れました。
ビミニボタンのバックマークの種類
1.『MADE IN ENGLANDと、鉢植えの植物のマークが刻印されているもの』
2.『MADE IN ENGLANDのみ刻印されたもの』
3.『全くマークの入っていないもの』
があります。
1は、数種のデザインがあります。又、数が少なく希少です。諸説ありますが、ボタンを納める際に、セットの内の1個だけにマークを入れたのでは?とも言われており、全く同じデザインのボタンでも、マークが入っているものと、入っていないものが存在します。