キリスト生誕の地 ベツレヘムより祈りを込めて
Bethlehem Pearl
パレスチナ暫定自治区にあるベツレヘムでは、何世紀にもわたって、父から息子へと、受けつがれてきた手工芸品があります。それは、フランシスコ会の修道士によってもちこまれた貝細工の技術です。この技術を使って、教会・修道院の縮尺モデル、十字架、イコンが作られました。これらは、教会や修道院へ納めただけでなく、パレスチナの芸術品として、各国要人へも贈られました。
お土産品として作られたブローチやボタンは、十字架やイコンの装飾の一部と同じデザインです。それらは、巡礼者にとって、大切な記念品であり、お守りのような存在です。
ボタンがベツレヘムで作られていたのは、1920-70年代(主に1940-50年代)だそうです。残念ながら、この手工芸の技術は時代と共に消えはじめ、1970年頃には300以上の工房があったのに対して、現在は、数える程になってしまいました。
ベツレヘムのあるパレスチナ暫定自治区の人々は、さまざまな問題を抱え、現在分離壁の中で暮らしています。それぞれが、大きな困難を抱えて生きているのにも関わらず、お店の店主も、工房で働く人々も、明るくて、優しくて、そして何よりも仕事に誇りを持って、力強く生きているのがとても印象的でした。
日本から突然やってきて、ボタンを作って欲しいと頼んだ私に、2つの工房が、快く引き受けてくれることになりました。現在も、昔とほぼ変わらない道具を使って、白蝶貝に小さな穴を開け、そこから糸鋸を通して透かし模様を完成させていく、完全に手作りの手法です。
聖地に生まれ、聖地でものづくりをする2人が、日本のみんなにボタンと共に届けたいものは「LOVE」と語っていたとおり、掌にのせると、あたたかいものが伝わってくるような、美しいボタンが出来上がりました。
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